生命を維持するために欠かせないのが、水と塩。しかし、近年では、塩分の過剰摂取が危惧されており、空前の『減塩ブーム』を引き起こしています。
一方で、「なぜ減塩しなければならないのか」「どれくらいの塩分量を摂取するべきなのか」ということを知らずに減塩活動を行っているひとが多いです。今回はそんな人たちが効果的に、健康的な食生活を送れるような基礎知識を”塩分摂取”にフォーカスしてお伝えしたいと思います。
塩分を過剰に摂取すると『高血圧』や『むくみ』があらわれると言われています。これらがなぜ起きるのかを3つのステップに分けて簡単に説明します。
摂取した塩分は、ナトリウムとなって骨や血液に運ばれます。そのときナトリウムの運び屋であるカリウムが不足していると、代わりに水分を摂取してナトリウムを薄めようとします。これがいわゆる”のどが渇く”という状態です。
塩分濃度を薄めるために水分の排出量(汗や尿)を抑えようとします。このとき、血液などに水分を多く取り込もうとするため、血液量が増え血圧が高くなります。みなさんもご存じの”高血圧”ですね。
その後、身体は水分を多く取り込もうとします。そして、溜め込んだ水分が細胞からあふれると細胞周囲にたまります。これが”むくみ”となります。
⇒ つまり、塩分を摂取しすぎると①のどが渇き、②血圧が高くなり、③むくみがあらわれるため、塩分摂取量が多めの現代人は、減塩をする必要があるのです。
塩分の取りすぎはよくない!しかし、「いったいどれくらいの塩分をカットすればいいのか?」という疑問が生まれてくると思います。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2015年版』では、食塩の1日の摂取目標量は男性8.0g未満、女性7.0g未満と設定されています。
『平成26年度国民健康・栄養調査』によると、1日の平均食塩摂取量は男性で10.9g、女性で9.2gとされています。やはり現代人は過剰摂取気味です。
8gや7gが適切だと言われても、なかなかイメージしにくいと思うので、様々な食品の塩分を並べて比較します。
1日3食ですので1食あたり大体2g~3g程度に抑える必要があります。
平均すると約7g(=女性が1日に必要な塩分量)と言われています。つまり、カップラーメンを食べてしまうと、あっという間に、目標摂取塩分量を越えてしまうということです。
1食分(210g)で、2.8~3.9g程度。ものによって塩分量は異なりますが、やや過剰気味。朝ごはんで塩分を抑えて、晩御飯にレトルトカレーという形なら許容範囲内。
一見ヘルシーに見えるようなコンビニ弁当であっても、そこそこ塩分量があったりします。
つくり方によってかなり左右されてしまいますが、逆にいうと、塩分量を自分でコントロールしやすいものともいえます。
意外にも塩分量高めなそば。そばつゆにはかなりの塩分量が含まれています。
正直、挙げるときりがないのでこの程度にしておきます。
まとめると、外食頼りな食生活だと塩分摂取量の目標数値をあっという間に越えてしまうということです。
「外食がよくないことはわかっているけどなかなか自炊する時間がない」という人にオススメなのが、カリウムを摂取するということ。
カリウムには余分なナトリウムを排泄する効果があるので、塩分過剰摂取気味のときにバランスを整えることに役立ちます。またカリウムを含む食材は手軽に食べることができるので、自炊する時間がない多忙なひとにもオススメです。
バナナ、アボカド、ピーナッツ、キウイ、さつまいも、等が手軽にカリウムを摂取できる食材です。その他にもカリウムを多く含む食材はたくさんあるので、目標塩分摂取量を越えている人はチェックしてみてください。
①塩分を過剰摂取すると高血圧等、身体に悪影響が出る可能性がある。
②塩分の摂取目標数値は、男性8g/女性7g。
③過剰摂取気味のひとは、カリウムを積極的に摂取してバランスを整える。
これから食事をするときは、成分表をしっかりとみて、適切な塩分量摂取を心がけてください。